引き渡しから5年経過した建て主から「深夜、浴室の音が耳障りで眠れない」とクレームが寄せられた。ユニットバス自体には問題がないはずなのだが…。念のため、設備業者にも協力してもらって解体し、再度組み立て直したものの、やはり「音がする」という。ついには金銭を要求してきた。 【住宅ライター:渡辺圭彦】
「鳴らない異音」に振り回される
新築から5年ほど経過したころ、急に電話があった。「寒い時期にお風呂に入っていると、パキッという音が鳴る。不安だから調べてほしい」のだという。さっそく駆けつけてみたものの、特におかしいところはなさそう。念のため、A氏自らお湯を張って入浴させてもらったのだが、やはり異音は感じられなかった。
浴室のメーカーの担当者にも来てもらったが、音は鳴らない。そうこうしているうちに春になり、「この時期は鳴らない」ということで、次の冬まで問題は持ち越しとなった。
そして11月。冷え込んできた頃にまた電話が鳴った。やはり音がするのだという。再度、A氏は建て主宅を訪問し、入浴させてもらったが前回同様、問題があるようには思えない。そこで、いったんユニットバスを分解し、再度組み立ててみるという提案をすることに。「様子を見ていると非常にナーバスになっているようでした。何か手を打てば気が済むかなと思って…」。設備業者にも協力してもらって実施したが、それでもダメだという。
「もしかしたら部材の一部が温度差で伸縮して音を立てているのかなと思って、断熱材を入れてみたりもしたのですが…」。考えられることはすべてやってみたものの、どうにもお手上げの状態に・・・
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