ルームクリップ(東京都渋谷区、髙重正彦社長)は11月24日、住まいと暮らしの年間トレンドを選出する「RoomClip Award 2022」を開催。今年は500万枚以上の投稿写真の中から、キーワード部門第1位に「パーソナル癒しスペース」が選ばれた。併せてこの1年間で注目を集めた製品「ベストプロダクト」と、翌年の「トレンド予測」も発表した。
同アワードでは、同社が運営するインテリア実例共有サイト「RoomClip(ルームクリップ)」に投稿されたインテリアの実例写真と、その写真に付与されたタグ、いいね、コメント、検索キーワードなどのデータを定量・定性的に分析し、注目されたもしくは今後注目されると予想されるキーワードや商品を選出している。
キーワード部門第1位は、自分だけの空間を創造する「パーソナル癒しスペース」。新型コロナウイルス感染拡大から3年がたち、コロナ疲れが顕在化する中、癒しを求める動きが投稿にも見られた。
例年との比較では「癒し」「自分時間」タグは約3倍、「くつろぎ空間」タグは9倍以上にも伸びている。投稿では、ゆったりとくつろげる一人用の椅子、やさしい光の照明、観葉植物、香りグッズを組み合わせた投稿が目立ち、それに共感するコメントも多かった。
同社住文化研究所・水上淳史研究員は「パーソナル癒しスペースが求められる背景には単身世帯、いわゆる『おひとりさま』の増加があり、自分だけの空間をいかに過ごすかを追求したものとなっている。さらに家族世帯でも在宅時間が長くなるにつれ、一人で過ごす時間の大切さにフォーカスが当たっている」と解説した。
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「まとめ買い」がランクイン
節約志向の高まりが影響
第2位は「まとめ買いルーティン」。急激な円安による値上げが家計を直撃したことをきっかけに節約志向が高まり、特売で日用品や食品をまとめ買いをする方法が定着しつつある。そのような中で「何を買うか」「どのように下ごしらえをするか」「どのように収納するか」といった投稿が注目された。関連するキーワードとして「冷凍庫」が近年急上昇している。
3位は「快眠ベッドルーム」。総務省のデータによると、この数年睡眠時間に費やす時間が増加する傾向にあるが、同サイトでも2022年はマットレス、まくら、布団など寝具に関連する投稿率が過去最高となっている。中でもサイドテーブルや照明、サーキュレーターなどベッド回りの環境改善事例や、布団乾燥機といった寝具メンテナンス関連商品に注目が集まる傾向が見られた。
以下の順位では、▽4位:北欧スタイルに和の要素を取り入れる「ジャパンディ」、▽5位:一押しのアイドルやキャラクターを飾る「押しディスプレイ」、▽6位:増え続ける充電家電の充電スペースを設ける「充電ステーション」、▽7位:『名も無き家事』を辞めるためのテクニック「やめ家事テク」、▽8位:長く使えるハイプラスな商品を購入する「ハイプラ買い」、▽9位:子育て世代が最も注目するスマートデバイス「スマートロック」、▽10位:奥まったくつろぎスペース「ヌック」――がそれぞれ上位に入った。
続いてプロダクト部門では、ルイスポールセンジャパンの照明スタンド『Panthella Portable』、スリーアップのふとん乾燥機能付人感センサーセラミックヒーター『DRY HEAT CH-T2137』、山崎実業の食器乾燥用スタンド『ワイドジャグボトルスタンドタワー』など、12商品が選出された。
2023年のトレンドは?
2023年の「トレンド予測」では、「ホームサウナ」「一人一寝室」「セカンド冷凍庫」を予想。水上研究員は「睡眠に関する投稿を分析すると、一緒に寝ている人から受けるストレスである『いびき』や『体感温度の違い』といったネガティブな内容が多く見られた。部屋づくりとして一寝室を設けるのは難しいが、快眠トレンドの延長上で確実に求められていくだろう」とコメントした。
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