マンションリサーチ(東京都千代田区)は11月22日、10月までの一都三県都市部の中古マンション価格推移・在庫数・在庫回転率・価格改定数から、今後の中古マンション価格についてまとめた調査結果を発表した。一都三県のなかでも、価格高騰傾向が継続しているエリアと下落が予測されるエリアの二極化がみられるようになっている。
東京都23区は、2022年度に入ってから在庫数が下降傾向にあり、10月は前月からさらに減少。一方、在庫回転率は高水準を維持しており、売却までの価格改定数が大きく低下している。需給トレンドに即応した価格形成がみられ、今後も価格高騰は継続すると予測される(グラフ下)。
神奈川県横浜市は、在庫数が低い状況で推移し、在庫回転率は高水準を維持している。価格改定数はゆるやかな減少傾向にあり、10月は近年で最も低い水準となった。中古マンション価格は先月から下落したものの、需給トレンドに即応した価格形成がみられることから、多少の変動があっても価格の高騰は継続するとみられる。
一方で、神奈川県川崎市は、在庫数が低水準で推移しているが、増加傾向がみられる。在庫回転率も高水準を維持しているが、在庫数の推移と逆の動きをみせていることから、在庫数の増加に伴い低下していくことが予想される。価格改定数は前月から横ばいで低水準だが、在庫数の増加と在庫回転率の減少により、今後増加していくとみられる。中古マンション価格は、2022年に入ってから高騰しているものの増加率は逓減しており、近いうちに下落局面に入ると予測される。
埼玉県さいたま市も、在庫数増加の兆候がみられる。在庫回転率は高水準を維持しているが、在庫数の増加に伴い低下していくと予想。価格改定数は、前月から減少したが、在庫数の増加と在庫回転率の減少により上昇が予測される。中古マンション価格は、2022年に入ってから変動しながらもほぼ横ばいで推移しており、今後、在庫増加による在庫回転率の低下から中期的に下落局面に入ると予測される。
千葉県千葉市は、在庫数が低水準を維持し、在庫回転率も高水準であるものの、ともに横ばいで推移している。価格改定数は2022年は上昇傾向だったが、10月は近年で最も低い水準となった。在庫回転率と価格改定数が連動せず、需給トレンドに即応した価格形成がみられないことから、価格の変化を予測しづらく、短中期的に不安定な状況となっている。9月・10月の価格上昇が、上昇トレンドなのか判断がつかないとした。
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