新建ハウジングは10月26・27・28日の3日間、東京ビッグサイトで行われたジャパンホーム&ビルディングショー会場で、“突破(ブレークスルー)”をテーマとして掲げ、「工務店ミライセッション」を開催。オンラインでも配信した。地域工務店が厳しさを増す市場を突破し、工務店らしい家づくりと経営を未来へとつないでいくためのあり方を議論。27日のセッション「工務店らしさを生かした生産性向上ノウハウ」では、プラン・設計・規格、現場管理・品質の標準化や、大工に受発注業務を移管(任せる)といった、工務店の実情に即した生産性向上の仕組みについてディスカッションした。
ウッドシップ社長の酒井忠雄さんは生産性向上には「生活者へ価格を含めた情報開示を徹底することが必須だ」とし、「自社と親和性の低い顧客から受注してしまうと、予算や暮らしに求めるものが合わず、結果として家づくりの生産性が著しく落ちる。相性のいい(価値観の合う)顧客といかに出会うかが大事」と述べた。
HORI建築社長の堀昌彦さんは家づくりで最も大切なのは業務の標準化とし、「組織として業務フローを確立することが重要」だと強調。組織に浸透させるために経営者の強い意志が必要と訴え、働き方改革にもシナジーが生まれるとした。
工務店の見積もり業務の効率化、負担軽減を実現する建材・設備製品カタログアプリ『棟梁の目利き』を展開する凸版印刷の門田晋一さんは「棟梁の目利きでは、部材リストの情報ストックが可能で、次の世代にも引き継げる。OB顧客との関係性を深める手助けになる」と説明したうえで、「建築(家づくり)で重要な人の力を最大化するためにこそ、工務店の業務効率化と生産性向上を支援したい」と力を込めた。
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