アキュラホーム(東京都新宿区)はこのほど、川崎住宅公園に「5階建て純木造ビル」のモデルハウスをオープンした。同社が木造ビル普及のために開発した「普及型純木造ビル」のモデル棟で、低コストで木造中層ビル建築を実現するプロトタイプとして展開する。木造軸組工法による5階建てモデルハウスは国内初という。これにより、木造建築を全国の街並みに復興する「Re:Treeプロジェクト」を本格スタートする。
同モデルハウスの建築過程のCO2排出量は、105.4トンで鉄骨造、RC造の約1/2ほど。炭素貯蔵量は約84t-CO2(CO2換算)。さらに研究を進め、建築費は鉄骨造、RC造の2/3程度を目指す。都市部での資産活用や収益付き住宅となることを想定し、店舗、オフィス、賃貸とオーナー住居で構成されており、活用イメージをリアルサイズで体感できる。今後、首都圏を皮切りに5階建てモデルハウスを建築していく予定。
同社は木造ビルの一般化を目指し、一般流通材料と住宅用木材プレカット加工技術を活用した「普及型純木造ビル」を開発。特殊な技術・資材を使用せずにコストを抑え、一般大工のみで中規模木造を実現した。専門家とともに実施した「5階建て純木造ビル耐震実験」では、建築確認基準の地震波で倒壊・損傷なしの実証データを取得している。現在、埼玉県さいたま市に「8階建て純木造ビル」を建築中。
同社は、「普及型純木造ビル」によって都市部の中層ビル建築に木造という新たな選択肢を提案するとともに、一般の建築主も建築可能となるよう開発を続け、脱炭素社会の実現を目指すとしている。
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