家づくりにおける多くのクレームは着工後に発生する。主要なクレームを題材にその発生原因と対処方法について簡単にまとめてみた。時代は変わっても基本的には顧客と工務店との間のコミュニケーションの問題であることが多い。
ありがちクレーム① 要望が反映されていない
◉クレームが多発する着工後に絞り、クレームの原因と対策を見ていく。「要望と違う」というクレームは顧客の要望がやや特殊な場合に起きやすい。工務店が要望を誤解して別のかたちで設計していたり、「実現は難しい」「そこまで不要」と返答後、結論が曖昧なまま着工するなどの事例がある
◉やや特殊な要望を工務店側は軽く考えがち。「実現は難しい」と答えたきり、そのことを忘れていたりする。設計段階では「このやり方でよいか」「反映しなくてよいか」などの確認を怠りがちだ
◉要望が実現していない場合、顧客が気づくのは施工中か施工後。この段階で直すには壊してつくり直すしかない。費用負担は誰がするのか、工期は延長をするのかなどもめごとになりやすい
◉本来は契約時に設計図書をもとに隅々まで説明・確認して上記のようなことを防ぐ。ただし、工務店は各部の詳細図を描かない。契約図面に顧客の要望がすべて表現されてはいない
➡描かれていない要素は契約時に口頭で確認する。上述のように顧客は「工務店はプロだから要望はすべて伝わっている」と思っていることが多い。変更・追加した部分はすぐに顧客に見積書を出して確認する
◉契約時に要望がすべて反映されたか確認しないも少なくない。着工後の追加・変更を前提としている場合だ。このやり方は避けて細部まで決めてから契約したい。理想はプラン打ち合わせのたびに議事録を作成して内容に相違ないか確認すること。契約時にも議事録をもとに要望が図面にどう反映されているかを確認
➡これらの作業により、この種のクレームについてはほとんどを防ぐことができる
ありがちクレーム②
何を要望してもやる気のない返答
◉着工後に顧客から仕様変更や追加工事を要望された際に内容を精査せずに「できない」と突っぱねたり、「そこまで必要ない」などとやる気のない返答をするとクレー厶になりやすい
◉上記は判断の適否でなくコミュニケーションの取り方の問題だ。・・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー11月号(2022年10月30日発行)/超コミュ力 無敵の顧客対応術』(P.36~)でご覧ください。
【関連記事】
・脱クレームの超基本!マッチング性を高めた「顧客選別術」
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。