OMソーラー(静岡県浜松市)はこのほど、子どもたちに自然エネルギーがどのように作られ、私たち人間がどのように活用しているのかなどを学んでもらおうと、浜松市内にある曳馬小学校の在校生計約100人を対象に、同社の施設「地球のたまご」で環境学習を行った。同社ではSDGs教育の一環として位置付ける。
「地球のたまご」は、SDGs教育が受けられる場所として市に認定されている施設で、同社の社屋・研究施設と1万坪以上のランドスケープからなり、OMソーラーのシンボルにもなっている。今回のSDGs教育では、暮らしや自然エネルギーに関するクイズなどを行ったほか(写真下)、太陽熱を集めるソーラークッカーでお湯を沸かしたり料理ができることを紹介。本社内では太陽熱を利用した暖房の仕組みを確認するなど、児童は楽しみながら太陽の可能性と建物への自然エネルギーの取り入れ方、活用の仕方などを学んだ。
同社は、太陽熱を利用した全館暖房をベースに、自然エネルギーを利用して最小限のエネルギーで快適な住環境を目指す、空調機器販売事業を展開している。2004年に浜名湖畔に完成した「地球のたまご」の名称には、「この場からさまざまな情報や技術が生まれ育っていくように」の願いが込められている。建物は「住まい」のスケールを基本とし、OMソーラーシステムを導入することで実験・研究の場としても利用。建材は、太陽熱による木造乾燥庫で乾燥させた地元の天竜杉を使用し、地産地消と自然エネルギーの新たな活用を実践している。約1万坪の敷地では、外来種を取り除き、古来の植物を種から育てて本来の生態系を維持する活動を行っている。植栽から維持管理までの活動を「どんぐりプロジェクト」とし、現在も継続的に実施。浜松古来の自然を育む場所として、年月をかけて湖岸の復元を目指す。
環境学習の体験場所としても機能する「地球のたまご」では、これまで1万3000人以上が見学。浜松市環境学習指導者の講座会場にも利用されている。同社では、環境学習を取り入れたい行政、自治体、教育機関、企業などを積極的に受け入れている。
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