不動産専門データサービスの東京カンテイ(東京都品)は10月31日、2021年の築10年中古マンション価格の「年収倍率」が、全国平均で6.54倍だったとする分析結果をまとめた。前年の5.92倍から拡大し、全国的に中古価格の上昇傾向が続いている。
中古マンションの「年収倍率」は、築10年中古マンション価格(70㎡換算)を平均年収で除し、中古価格が年収の何倍に相当するかを算出したもの。低いほど買いやすいことを示している。
築10年中古マンション年収倍率が全国平均で6倍に達したのは2008年の集計開始以来初めて。全国で最も年収倍率が高かったのは東京都の13.35倍。京都府や沖縄県に加えて、コロナ禍でニーズが高まった長野県が9倍台に急拡大した。
首都圏(埼玉、千葉、東京、神奈川の1都3県)では中古価格上昇に加えて平均年収が下がったために、年収倍率が1.03拡大して8.94倍となった。1都3県全てで最高値を更新している。
近畿圏(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山の2府4県)も首都圏と同じ傾向で、年収倍率は0.48拡大して7.22倍となった。京都府は中古価格の下落と平均年収の上昇で年収倍率は縮小したが、昨年に続き9倍台。京都府以外の1府4県は年収倍率が拡大したことでこれまでの最高値となった。
中部圏(岐阜、静岡、愛知、三重の4県)は、中古価格の上昇率が平均年収の増加率を上回り、年収倍率は1.42拡大して6.72倍となった。岐阜県と静岡県は、7倍台に急拡大し、これまで中部圏でトップだった愛知県を上回った。
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