不動産専門データサービスの東京カンテイ(東京都品)は10月31日、全国のマンション建替え事例282件を分析し、建替え期間が長期化していることを明らかにした。
同社は、マンションの竣工年から建替え物件が竣工するまでの期間を「建替えられたマンションの寿命」と見なして検証。新旧の竣工年の比較が不可能な6物件を除く276件を分析した。
今回の検証では、全国で一番多いのが「築40年以上50年未満」の34.4%。続いて「築30年以上40年未満」の28.6%だった。8年前(2014年6月)の調査では「築30年以上40年未満」が36.5%で最も多かったことから、ボリュームゾーンが長期化の方にスライドして“長寿化”が進んでいる。
2020年以降で、実際に建替えられた物件は1970年代のものが多く、近年の建替えでは築50年以上のケースが多いという。また2020年以降に建替えられたものは、10階以下から15階以上の高層物件に建替わった事例が目立つとしている。
また、建替えマンションの建替えが好立地化しているため、保留床創出や建替え費用抑制の観点から「建替え後の物件の専有面積が縮小傾向となっている」と指摘。東京都、神奈川県、埼玉県では2020年代以降は拡大率が110%を切っており、この傾向は年々顕著となっている。「“狭すぎる住戸からの脱却”が、既にマンション建替えにおける主要因とはならない、性質の建替えが増加していると考えられる」としている。
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