ドイツは小学校5年生のときから、大学進学コースと職人・実務労働コースに枝分かれする「資格社会」とも言われている。以前は後者のブルーカラー・コースを選ぶ若者が圧倒的に多かったが、ここ10年あまり、大学に進学し、ホワイトカラーを目指す若者が半数以上を占めるようになっている。職人不足が大きな社会問題になっている。
木工大工や家具建具職人といった「木の職業」については、いまだ人気があり、木工大工の見習い生の数は、2010年で6433人から2021年で9374人と、毎年数%ずつ上昇している。快適な室内で手を汚さず、汗をかかずに、頭で仕事をしたいという若者が増えているなかで、恵まれた状況である。コンピューターや高性能の加工機械などで合理化は進んではいるものの、大工の仕事は依然として、外で身体を使った重労働が主である。
しかし大工になりたい若者の多くは、一般的なデメリットを、逆に魅力として・・・
この記事は新建ハウジング10月30日号 9面(2022年10月30日発行)に掲載しています。
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