TOTO(福岡県北九州市)は10月28日、1980年6月に販売を開始した温水洗浄便座「ウォシュレット」の累計出荷台数が、8月に6000万台を突破したと発表した。(シートタイプ・ウォシュレット一体形便器、国内・海外合計)
日本では温水洗浄便座の一般世帯普及率が2021年に80%となり、住宅設備として広く普及している。商業施設や公共交通機関などのパブリックトイレにおいては、2015年から「日本を世界のショールームに」をコンセプトにウォシュレットの設置を加速。訪日外国人へのウォシュレット体験促進を図っている。オフィスや学校などでも採用が進み、国内のウォシュレット出荷台数は10年で約1.2倍となった。
海外では、各国に根ざした提案活動によって18の国と地域で販売。近年、より高いレベルで機能とデザインを融合させ、世界で通用する「グローバル統一モデル」として品揃えを強化しており、海外での出荷台数はこの10年で約5倍に伸長した。
初代ウォシュレット以降、トイレを清潔・快適にするため、さまざまな機能が追加されたが、海外市場では水まわり器具にデザイン性を求める傾向が強い。現在の欧州市場のトレンドである「薄型化」に対応するため、同社はウォシュレット本体の高さを低くする「湾曲ノズル」を開発。湾曲形状で2段階に伸縮するノズルは、従来品より約30%高さを抑えることが可能となる。2019年11月から欧州市場に搭載商品を投入したところ、最上位グレードにも関わらず評価が大変高く売れ行きも好調だという。8月発売のグローバル統一モデル「ネオレストLS」にも湾曲ノズルを搭載し、デザイン性を向上。温水をつくるセラミックヒーターも約20%小型化するなど部品全体の見直しを図り、ウォシュレットの薄型化・コンパクト化を進化させている。
海外拠点では、不特定多数の顧客が使用できる宿泊施設等への納入を進め、ウォシュレットの体験の場として展開している。
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