TOTO(福岡県北九州市)は10月28日、2023年3月期第2四半期決算を発表した。国内住設事業が堅調に推移したことなどから、売上高は前年同期比5.9%増の3276億円となったが、コスト高などの影響を大きく受け、最終利益は同5.1%減の188億円にとどまった。
営業利益は206億円で同22.4%減。銅、樹脂、鋼板などの原材料費および物流費の高止まり、部品調達難が利益減の主な要因。部品調達の影響は下半期には収束する見通し。コロナ禍で好調だった「タッチレス商品」は昨年までの水準には至らないものの、宿泊施設を中心に売り上げを伸ばしている。温水洗浄便座「ウォシュレット」の累計出荷台数は8月に6000万台を突破した。
国内住設事業は、リモデルの住宅は好調だったがパブリックが減少。新築はコスト増により増収減益となった。海外住設事業は全体で増収減益。中国大陸事業はゼロコロナ政策や不動産価格抑制政策による市況悪化で、全地域・商品ともに前年を下回った。
アジア事業は台湾地域での営業活動が阻害されなかったことから販売が好調。ベトナムでは国内需要の回復が見られた。米国事業は衛生陶器や「ウォシュレット」の売り上げが伸長するも、物流コスト高が響いて大きく減益となった。新領域のセラミック事業は、世界的な半導体不足を背景に大幅な増収増益となった。
2023年3月期の連結業績予想は、円安に伴うコスト高、半導体需要の堅調などの影響を踏まえた上で、前回予想よりやや上方に修正。売上高は前期比11.1%増の7170億円、営業利益は同3.5%増の540億円、経常利益は同8.1%増の615億円、最終利益は同4.7%増の420億円と、増収増益を見込んだ。
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