セレンディクス(兵庫県西宮市)は10月26日、10月から販売を開始した3Dプリンター住宅「Sphere(スフィア)」の2022年度販売予定数6棟が完売したと発表した。6棟は長野県、岡山県、静岡県、大阪府、福岡県、大分県で施工される予定だ。
同社は、オランダ・中国・韓国・日本・カナダの3Dプリンターメーカーに依頼し、「Sphere」の同時出力を実施。各国で同一データにて出力されたパーツは、プレキャスト素材として日本に運び、国内で初回販売分を施工する。3Dプリンター住宅を5カ国で同時プリントするのは世界初の試みという。同社は国内の3Dプリンター住宅の普及を促進するとともに、世界各地の3Dプリンターメーカーとの連携を強化し、2023年に「Sphere」を海外向けに販売開始するための足掛かりとするとしている。また、後発開発途上国にはデジタルデータを無償で提供し、世界の住宅課題解決にも取り組むとした。
同社では、施工時間は24時間で人の作業が不要、100㎡300万円で購入可能な「Sphere」で、住宅建設業界の課題に取り組むんでいる。現在、国内外の相談を含め1000件を超える予約や問い合わせが寄せられているという。
「Sphere」の開発はオープンイノベーションで進め、開発コンソーシアムの参加企業は140社以上。同社は設計・開発に特化し、出力3Dプリンターは海外のメーカーとの協業、住宅施工は住宅施工会社との協業で行う「水平分業」の住宅づくりを実現している。設計は日本・米国・オランダ・中国のコンソーシアム企業との共同開発で、ヨーロッパの耐熱基準をクリアする壁面2重構造や日本基準の耐震構造設計等、世界最先端の設計技術が活用されている。
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