積水化学工業(大阪市)住宅カンパニーは10月20日、同社住宅ブランド「セキスイハイム」のユニット輸送・据付工事の遠隔モニタリングを開始すると発表した。
同社は、ユニット輸送・据付工事の進捗がオンライン上で即時共有できるシステムを開発し、9月に全国8工場の輸送管理部門へ導入を完了。建築地に輸送したユニットの据付時刻を即時記録・共有するため、全国約50現場の作業進捗を確認できる。進捗が計画より遅れている場合は輸送管理部門に自動通知されるため、個別の進捗確認が不要となり、管理業務を大幅に効率化できるという。また、ドライバーの車庫出発時や現地開放時間も記録でき、作業遅延時の再配置などを迅速化することで、ドライバーの労働時間管理の合理化および長時間労働の抑制を実現する。
10月から、施工部門においても同システムを順次導入。事務所から据付作業進捗が確認可能となるため、建築地から状況を報告する施工管理者や、複数現場の把握が必要な施工管理者上長の負担を軽減し、業務効率化を図る。輸送管理部門・施工部門が進捗を共有することで、作業遅延時に円滑な応受援ができるとした。
同システムに加え、2022年度中に全据付現場へWEBカメラを導入。遠隔地からリアルタイムで作業安全性の確認や進捗状況をモニタリング可能とし、効率的な施工・安全管理体制を構築する。重大災害を未然に防ぐとともに、作業遅延時の状況確認や録画分析による業務改善に活用できるようになる。
担い手不足や高齢化が進む建設業界・物流業界においても、ドライバー・職人の生産性向上や働き方改革が求められている。「セキスイハイム」のユニット工法では、据付工事を同日約50現場で稼働し、現場ごとに多くの作業者、管理部門が関わっている。今回、IoTを活用した同システムを導入し、各現場の進捗をオンライン上で可視化・共有化することで、業務効率化を図るとともに、ドライバーの働き方改革や安全管理レベルの向上を実現するとしている。
同社は、今回導入したシステムも活用し、2025年までに生産・施工工程や製品輸送の一括管理システムを構築。2030年にはAIによる工程計画自動作成を実現し、生産・輸送・施工能力の最大化を目指す。
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