経済産業省・資源エネルギー庁の建築材料等判断基準ワーキンググループ(座長=田辺新一・早稲田大学理工学術院創造理工学部教授)は10月14日、断熱材の建材トップランナー制度について、グラスウールと押出法ポリスチレンフォームの新たな目標基準値を取りまとめた。 目標年度を2030年度とし、目標基準値をグラスウールは5.1%、押出法ポリスチレンフォームは6.1%引き上げた。
2050年カーボンニュートラルの実現に向けた第六次エネルギー基本計画で、「2030年以降新築される住宅・建築物について、ZEH・ZEB基準の水準の省エネルギー性能の確保を目指し、建材トップランナー制度における基準の強化等の検討を進める」とされていることなどを踏まえた見直し。
2030年度の推定性能値と、それの達成に必要なシェア構成を検討した上で、新たな目標基準値を、グラスウールが0.03942W/(m・k)、押出法ポリスチレンフォームが0.03036W/(m・k)とした。新たな目標年度は2030年度(現行2022年度)。
現行の建材トップランナ―制度では、グラスウールの目標基準値0.04156W/(m・k)に対してトップランナー値は0.036W/(m・k)、押出法ポリスチレンフォームは目標基準値0.03232W/(m・k)に対して0.020W/(m・k)と大きく下回っており、性能改善が期待できることや、出荷シェアが大きいことを踏まえ、この2種類を見直しの対象とした。ロックウールは目標基準値0.03781W/(m・k)に対してトップランナー値0.038W/(m・k)と上回っている。
また、現行制度では、グラスウールは密度24㎏/㎥以上のものは遮音・防火材など特殊な用途に使用されるとして対象外だったが、今後は、密度40㎏/㎥以下に対象を拡大する。住宅の高断熱化により、密度24以上40以下(㎏/㎥)の出荷が増大傾向にあるため。
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