東急不動産(東京都渋谷区)とリノべる(東京都港区)はこのほど、東急不動産初のリノベーション都市型賃貸レジデンス「コンフォリア高島平」を竣工したと発表した。築27年、全76戸の企業社宅をリノベーションした物件で、敷地面積3740㎡、地上8階建て。事業主は東急不動産、プロジェクトマネジメントおよび総合企画、設計・監理・施工はリノべるが担当した。性能向上のため断熱改修を実施し、BELS認証を取得。エネルギー消費量を14%削減した。環境や社会へ配慮した不動産と事業者を支援するDBJ Green Building認証も取得予定。
同物件では、空間とマテリアルのアップサイクルを通して「暮らしのアップサイクル」の実現を目指す。既存躯体に加え、廃材も素材として活用。また、居住者の豊かな暮らしを実現するために、さまざまなコミュニティとつながり、環境にやさしく暮らしを楽しめる住まいとして提供する。
専有部や共用部には、東急不動産ホールディングスの保全森林である岡山県西粟倉村の間伐材を活用。集会室を改修して設置した室内プレイルームやワークスペース、テレワークルームには、体育館の床材や北日本の広葉樹を使用したデザイン性の高いインテリアを配置した。また、都会でもできるコンポスト「LFCコンポスト」を、東急不動産が所有する都市型賃貸レジデンスに初導入した。生ゴミを削減するとともに、中庭の菜園でたい肥として活用することで、日常でのアップサイクルを実感できるした。
中庭には、菜園のほかキッズスペースやドッグランも配置。外構は地域に開いた2つの広場を設置することで、街とシームレスに繋がるランドスケープを実現した。不要になったレンガタイルや工事の残土、既存コンクリートを解体した廃材などを、中庭のアクセントやエクステリアなどに利活用することで、アップサイクルを実現する。
住まいに求められる価値が大きく変化し、働き方、暮らし方が多様化するなか、環境にやさしい生活へのニーズが増加傾向にある。東急不動産は中期経営計画に「環境を起点とした事業機会の拡大」を掲げており、今回のリノベーション事業は脱炭素社会実現への取り組みの一つとして実施した。また、リノべるは、建替え新築に比べCO2排出量が76%減、廃棄物排出量が96%減を実現する建築手法でリノベーションを実施し、「豊かな暮らし」を再定義する提案を行った。
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