ウッドショックの余韻のなか日本経済は円安・インフレに突入。資材価格が上がり続ける時代に。省コスト化を図りつつ空間の個性を保つ手法について、建て主DIYを組み込んだ家づくりを得意とする菅沼建築設計の菅沼悟朗氏に聞いた。
建て主DIY+既製品で安価に個性を確保
◉内外装の個性を保ちつつ省コストを図るには、空間構成を単純化した上で素材や色の対比を明確にすると効果的だ。同社の場合、外壁に木板、内装は梁あらわしと漆喰壁、スギ床板と質感の強い仕上げ材を採用
◉菅沼氏は上記をベースに省コストを徹底。まずは工種を減らす。左官工事(土間は除く)と塗装工事はすべて建て主DIY。次に製作ものを減らす。室内建具は既製品として5本程度に抑える
◉建具の多くは壁と同化する白色とし、枠も同色の既製品。ユニットバスの出入口に用いる枠材は汎用枠を使う。外部建具の枠と幅木も白色の既製品にする。廻縁は省略
◉窓枠を造作する場合、採寸して納まりを考案。面を取ってアングルじゃくりをする。一方でサッシとセットの枠は嵌めるだけ。施工管理も楽だ。素材感の強い空間なので既製品が入っても建売住宅のようにはならない
➡木製の枠を好む建て主には「木枠に漆喰が触れると変色するのでDIYの養生が大変」と伝える。大抵は既製品の採用に同意する
スギ板12㎜厚・180㎜幅の未乾燥材を使う
◉同社の外装材はガルバリウム鋼板かスギ板。両者の耐久性は同等。ただし、鋼板の焼付塗装用のフッ素樹脂が国内で供給制限中。塗装仕様は下位のポリエステル樹脂塗装仕様が中心となり、耐久性が低下
◉ガルバリウム鋼板自体も値上げ。一方で・・・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー10月号(2022年9月30日発行)/エコ建材 超コスパ仕上げ術』P.28~でご覧ください。
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