(一財)建設経済研究所と(一財)経済調査会経済調査研究所はこのほど、「建設経済モデルによる建設投資の見通し」(2022年10月)を公表し、2022・23年度の民間住宅投資額および新設住宅着工戸数の予測結果を示した。同調査は国民経済計算(四半期別GDP速報)の2022年4~6月期・2次速報を踏まえて建設投資額などを予測したもの。
2022年度の民間住宅投資額は、前年度比3.0%増の16兆5700億円になると予測。建設コスト上昇により名目値ベースでは増加となるが、民間住宅需要が減退し、新設住宅着工戸数が減少していることから、実質値ベースでは前年度の水準を下回る見通し。2023年度は2022年度と比べて、貸家および大都市圏における分譲マンションの着工戸数に回復が見込まれることから、投資額は同22.5%増の16兆9900億円になると予測した。
2022年度の住宅着工戸数は、同1.3%減の85.4万戸と予測。2022年4月まで14カ月連続で増加したが、資材価格高騰の影響による建設コストの増加を受けて5月から減少に転じている。このうち持家着工戸数は7カ月連続で伸び悩み、注文住宅大手の受注も厳しい状況にあることから、同4.9%減の26.8万戸となる見込み。
貸家着工戸数は同1.3%増の33.5万戸になると予測。7月まで17カ月連続で増加するなど回復傾向が見られ、金利上昇に対する前倒し需要も期待される。一方で、建設コストの増加による投資マインドへの鈍りといったマイナス要因があることから微増を予測した。分譲住宅着工戸数は同1.1%減の24.6万戸。全国的にマンションは弱含みが想定され、分譲全体としては微減となる見込み。
2023年度の住宅着工戸数は、緩やかな持ち直しが見込まれることから、同0.5%増の85.9万戸を予測する。このうち持家着工戸数は同1.6%減の26.3万戸、貸家着工戸数は同0.4%増の33.7万戸と予測。分譲住宅着工戸数は、大都市圏のマンションで需要回復が見込まれる一方で、戸建は前年度と同水準になると想定されることから、分譲全体としては同2.4%増の25.2万戸になると予測した。
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