イデアホーム(益田建設、埼玉県八潮市)は、資材ショックを踏まえた新たな規格住宅「ANBO(アンボ)」を開発した。ターゲット層を明確に設定したうえで、彼らの志向に合わせた設計とし、変更や差別化につながる余地を徹底的に排除する。施工も合理化し、初回接客から引き渡しまでの期間を短縮して原価上昇の影響を最小限に抑えることを開発の主眼に置いた。
ビジネススキームそのもので資材ショックを回避する
アンボは、原価よりも間接経費を抑えることを重視したという。原価を抑える努力も、相次ぐ住宅資材の値上げの前では焼け石に水。取締役技術企画開発部部長の鈴木強さんは「モノによるコストダウンはもはや無意味」だと話す。
鈴木さんが、原価上昇の影響を抑える手段として着目したのは「注文住宅のスキーム自体」だ。要望をヒアリングし、設計を進める中で、営業マンがついあれも、これもと提案してしまい、引き渡しまでの時間が延びる。結果、原価上昇の影響も大きくなる。
初回接客から引き渡すまでに、現状では約1年は要し、原価も300万円は上昇する。しかし、1年を5~6カ月に短縮できれば、上昇幅は150万円に抑えられる。アンボは、ただ建物を安くつくるのではなく「集客、設計、施工のすべてで最適値を追求」し、5カ月で引き渡せる住宅を目指して開発された。
自由設計や差別化はむしろ利益を損なう
工務店が展開する規格住宅の泣き所がプランだ。プランを限定していても、顧客の要望に応じて変更してしまえば規格化は成立しなくなる。ネットワーク等が提供する住宅商品でも、結局はゼロベースでプランニングしているケースは多い。
また、造り付けの収納や家具の造作も工務店らしい要素だが、鈴木さんは「今の時代にはそぐわないのでは」と見る。その理由は・・・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー10月号(2022年9月30日発行)/エコ建材 超コスパ仕上げ術』P.28~でご覧ください。
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