HEAT20・G2以上の温熱環境と耐震等級3を標準的な仕様とする大恭建興(新潟県長岡市)は、常に1年近く先まで予約(着工)が埋まっている人気工務店だ。物価高、ウッドショック、資材ショックなどにより住宅価格が高騰するなか、同社が一般的な核家族世帯に提供する住宅(30~34坪程度)も1棟あたり税込み3000万~3500万円(外構など含む)という価格帯になってきている。こうした状況に対し、同社の設計を担う37歳の専務の小幡大樹さんと32歳の佐藤光さんは「自分たちと同世代の地域の普通の家庭が求めやすい高性能住宅を提供していきたい」と、性能やデザイン性を保ちながらコストを抑えるためのさまざまな工夫を行っている
ウッドショックが直撃するなかで昨年の春先、それまで構造に標準採用していた輸入集成材による金物工法を、新潟県産スギ製材を用いた在来工法に切り替えた。小幡さんは「メーカーから提示された(金物工法の)あまりの金額の高さにびっくりした」と振り返る。切り替えのタイミングで、すでに設計を進めてしまっていた物件は「部材寸法が変わることはあらゆる部分に影響するので、構造計算をやり直すことは本当に大変だった」というが、それまでも全棟、許容応力度計算によって構造計算を行っていたからこそ、柔軟かつスピーディーに対応することができた。
小幡さん、佐藤さんがコストをできるだけ抑えながら、性能・デザインや快適性に優れ、暮らしやすい住宅を実現するために心がけていることは、メリハリのある設計だ。「住まい手の満足度の決め手となるのは“体感”」という考え方のもと、体感を向上させる部分には手厚くコストをかけ、それ以外の仕上げ・建具などでは“コスパ”を重視しながら既製品や手ごろな価格で入手しやすい建材を使いこなす。
体感アップの切り札は海外製食洗機
小幡さんが体感アップの切り札として挙げるのがMiele(ミーレ)、BOSCH(ボッシュ)、AEG(アーエーゲ―)など海外製食洗機だ。「これは自宅でも使っているが、圧倒的に便利で感動的と言っていいほどの体感レベル」(小幡さん)と絶賛。高価な製品だが、同社では「ほぼ標準仕様」となっている。ただし・・・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー10月号(2022年9月30日発行)/エコ建材 超コスパ仕上げ術』P.22~でご覧ください。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。