YKK AP(東京都千代田区)は、MADOショップ伊達保原店(福島県伊達市)、MADOショップパートナーの文化住宅機器(福島県南相馬市)、引地工務店(福島県伊達市)、およびシン建築工房(福島県伊達市)の4社と共働し、中古戸建て住宅の性能向上リノベーションを実証するプロジェクト物件「ふくしま 霊山の家」(福島県伊達市)に取り組み、このほど完成したと発表した。
同プロジェクトは、YKK APが全国のリノベーション事業者と連携し、既存戸建て住宅に「断熱」「耐震」を軸としたリノベーションを実施して、住まいの価値が「窓・開口部」でかえられるかを実証するというもの。同物件が19件目となる。
今回の物件は、大型分譲地に建つ築28年の住まいで、一般的な新築住宅を上回る断熱と耐震性能にこだわってリノベーションを実施した。外壁や窓、屋根など既存部分を多く残し(既存木材使用率:約80%)コストを抑えるとともに、国土交通省の「長期優良住宅化リフォーム推進事業」の認証を受け、補助金も活用している。外観デザインは、周辺地域の景観も意識した和モダンなデザインにリノベーションした。
高い断熱性能を実現するためには、住まいの中で熱の流出入が最も多い窓やドアの選択が重要となるため、同物件では、壁を壊して新しく窓を設置する箇所にはYKK APの高性能トリプルガラス樹脂窓「APW 430」を採用。壁を壊さない箇所には、既設窓の枠の上からかぶせて取り付けるカバー工法の窓リフォーム商品を、既設窓をそのまま活かす箇所では既設窓の内側にもう一つ窓を設置するための商品を、それぞれ採用している。
玄関ドアには、高断熱玄関ドア「イノベスト D50」樹脂複合枠仕様を採用。住宅の断熱性能は改修前の約3倍に向上(UA値:改修前1.08W/㎡・K、改修後0.34 W/㎡・K)している。また、冬場の室内での体感温度が概ね13℃を下回らないとされるHEAT20 G2相当をクリアすることで、冬場のヒートショックのリスクを軽減し、健康で快適な居住空間と高い省エネ性を実現している。
耐震性能向上では、耐震診断結果により補強計画を実施。窓を減らさずに開口部を補強できるYKK APの開口部耐震商品「FRAMEⅡ」BOX型を2か所に採用し、耐震診断シミュレーションの評点を改修前0.28から改修後は1.83に高めた。耐震等級3相当の強度となり「震度6強でも倒壊しない」耐震性能を実現している。
同物件は、空き家問題の解決に向けた取り組みの一環として、震災で地元を離れてしまった人のUターンや都市部からの移住などの促進につなげるモデル物件として活用する予定。
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