住宅リフォーム・紛争処理支援センターは9月26日、2021年度に実施した電話相談、専門家相談、住宅紛争処理について、相談内容等を統計的に整理した「住宅相談統計年報2022」を公表した。2021年度の「新規相談件数」(相談の第一回目の件数)は3万5040件で、前年度(2万9069件)比で約2割増加。初の3万5000件超えとなった。
このうち、「新築等相談」は2万3994件(前年度比20.7%増)、「リフォーム相談」は1万1046件(同20.1%増)。住宅のトラブルに関する相談は2万2004件で、「新規相談件数」の62.8%を占めた。
評価住宅(建設住宅性能評価書が交付された住宅)の相談は911件、保険付き住宅(住宅瑕疵担保責任保険〈1号保険〉が付された住宅)の相談は7392件。リフォーム見積チェックサービスで事業者から取得した見積書に関する相談(468件)のうち、見積書の送付を受けた相談件数は253件だった。
「トラブルに関する相談」(住宅の不具合や契約に関するトラブルの他に、賃貸借や相隣関係なども含む、相談内容に何らかのトラブルが含まれる相談)の件数は2万5675件で、電話相談全体の73.3%を占める。そのうち、「新築等相談」は1万8197件、「リフォーム相談」は7478件だった。
住宅のトラブルに関する相談の〝苦情の相手方〟は、新築等相談では「新築時の施工業者」の割合が最も高く59.9%、次いで「不動産業者」26.3%。一方、リフォーム相談では、「リフォーム業者」の割合が最も高く93.6%を占めた。
住宅のトラブルに関する相談のうち、「新築等相談」で雨漏りやひび割れなどの不具合が生じている相談は1万1216件で76.0%を占める。不具合事象は戸建て住宅と共同住宅等がともに「ひび割れ」(戸建て20.8%、共同等13.6%)が最も多く、戸建て住宅では「雨漏り」(14.6%)、「性能不足」(11.6%)が続く。共同住宅等では「性能不足」(11.7%)、「はがれ」(11.6%)が続いた。
一方、リフォーム相談で、雨漏りやひび割れなどの不具合が生じている相談は4701件、64.9%を占めた。不具合事象は、戸建住宅では、「雨漏り」(16.4%)が最も多く、次いで「はがれ」(14.8%)、「ひび割れ」(11.0%)の順。共同住宅等では「変形」(15.7%)が最も多く、「はがれ」(13.6%)、「性能不足」(11.5%)が続いた。
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