住宅・建築物の省エネルギー基準の見直しの検討を行っている合同会議の第2回会合が8月31日に開かれた。見直し後の基準を現行基準(平成11年基準、次世代省エネ基準)相当に据え置くことに対して、前回の会合に引き続き、引き上げを求める意見が複数の委員から出された。これに対して国側は「今回の改正はあくまで評価方法の見直し」とのスタンスを強調、理解を求めた。ただ、今後の引き上げについては、基準適合率の進ちょく状況などをみながら「今後、真剣に検討していきたい」との考えも示した。
今回の改正は、2020年までの段階的な基準適合義務化を見据えたもので、見直し後の基準が適合義務化のベースになる。
ただ、現行基準のままでも伝統的な木造住宅など構造的に適合が難しい建物もある。これに対しては、特別な評価や認定などを適用し許容していく考えを明示した。パッシブ的な評価など新たな技術についても同様のやり方で評価していく方向性を示した。
住宅以外の建築物の躯体の熱性能については、当初案では設定しないとしていたが、今回、一定の基準を設ける新たな案を国側が提示。これに対しては、肯定的な意見が多く出された。
太陽光発電などの創エネルギー効果を省エネ性能として組み入れることについても議論が白熱。見直し案で、自家消費分のみを評価するとしていることに対して、全量を評価すべきとの意見や、それとは反対に、建物の省エネ効果とはベクトルが異なるとし、区別して評価できるようにすべきとの意見も出された。国側がエネルギー政策との絡みも整理しなおし、次回以降、再度議論することになった。
なお、当初3回の予定だった会合は、場合によっては追加開催する可能性を国側が示唆した。第3回会合は9月10日の予定。
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