山長グループのモック(埼玉県八潮市)は今夏、千葉県千葉市内に大型パネル工場を開設した。9月8日にはお披露目の式典を開き、関係者のほか、首都圏の工務店も多数集まった。社長の榎本哲也さんは「(生産)数よりもここから派生するもの・価値を大事にしたい」と、単なるパネル生産施設を超えて、工務店を含むサプライチェーン全体への波及効果を期待する。
「顔の見えるサプライチェーン」の起点に
月産5~6 棟ペース、生産量より場と縁を重視
モックは2019年から、プレカット供給や販売という形で、大型パネルに関わっていたが、パネル工場の開設を決めたのは20年。グループ会社所有の土地に、事業再構築補助金(21年10月採択)を活用して建屋を建設した。8月中旬から稼働を開始しており、今後は国産材(紀州材)を使った大型パネルを、月産5~6棟分のペースで生産していく。
榎本さんは、大型パネルの今後を「今は知る人ぞ知る存在だが、あまり時間が経たないうちに一般的なものになる」と予測する。大工人口の激減と資材価格の高騰が続く中、同社の経営理念でもある「健康で快適で安全な家づくりを世に広めるという目的はそのまま、手段を変えることの第一歩が大型パネルだ」と話した。
さらに、同工場を起点として「顔の見える、リアルな接点のあるサプライチェーンを構築する」ことを目指す。見学者も可能な限り受け入れていく予定だ。さらに・・・
この記事は新建ハウジング9月30日号 1-2面(2022年9月30日発行)に掲載しています。
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