耐震の話題は構造に集中しやすい。実際に必要な耐震性能は建物の揺れ方による。揺れ方は地盤によって大きく変わる。地盤の揺れ方を調査し、構造計算に生かしている益田建設取締役の鈴木強氏に地盤と耐震性能の関係について聞いた。
ポイント①
地震被害には地盤揺れやすさも影響する
◉昨年10月7日に発生した千葉北西部地震では、震源地に近い千葉市が震度4だったのにもかかわらず、震度地から離れた足立区や川越市などで震度5強を記録した
◉これは同地域の地盤が揺れやすい構造をしているため。過去の大地震を見ても、大きな建物被害は揺れやすい地盤をもつ特定の地域に集中している
➡熊本地震の被害は益城町中心部など一部地域に集中しており、長期優良住宅の認定を取得した耐震等級2相当の建物も倒壊した
◉揺れにくい地盤とはどのようなものか。地震は地下深くの固い岩盤層で発生する。地表まで岩盤層で覆われている地域では、地震の振動がほぼそのまま地表に伝わるため、揺れが小さい
◉一方、表層に軟らかい砂が堆積していると、地震の振動が増幅されて揺れが大きくなる。河川の周辺や埋め立て地などがその典型だ。前述した益城町のある熊本平野も火山灰や川の土砂が分厚く堆積している
ポイント②
揺れが大きい敷地は判別している
◉人口が集まる首都圏の平野部には揺れやすい地盤の地域が広がる。産総研地質調査総合センターは首都圏の地質構造を調査して3次元化している。そのデータを見るとそれがよく分かる
➡上記データは同センター独自のボーリング調査と民間による5万地点のボーリング調査を解析したもの
◉足立区や川越市などの地下には・・・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー5月号(2022年5月10日発行)/超耐震』P.66~でご覧ください。
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