家づくりの過程で欠かせないエネルギーの1つが、工事中に利用する仮設電源だ。梶原建築(山梨県富士吉田市)は2019~21年に取り組んだリノベーションで、太陽光で発電した電力だけで工事を行うことに挑戦。同社代表の梶原高一さんは「大工仕事に必要な電力を意識するきっかけになった」と話す。
事の始まりは、梶原さんと施主・斎藤健一郎さん(朝日新聞記者)の出会いだった。斎藤さんは、山梨県北杜市に築40年の平屋を購入し、オフグリッド(電力会社の送電網から独立した電源)化したエコハウスにリノベーションすることを計画。紹介を受け、梶原さんにリノベを依頼することになった。
工事用電力のオフグリッド化も、斎藤さんの希望の1つだった。梶原さんも心をひかれ、挑戦してみることに。斎藤さんと交流のあったNPO法人太陽光発電所ネットワーク理事・佐藤博士さんが、システムを用意した。
パネルの位置や容量に課題
現場で太陽光発電の電力を使用するには、太陽光パネルのほか、インバーター(直流を交流に変換)や蓄電池なども必要。佐藤さんは、計3台のシステムを持ち込んだ。
実用上は困難も多かったという。第一の問題はパネルの設置場所。解体後の廃材や、搬入された資材で場所が取れず・・・
この記事は新建ハウジング9月20日号 16面(2022年9月20日発行)に掲載しています。
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