工務店・住宅業界の未来について語る対談企画シリーズ「HOPE」。BETSUDAI Inc. TOKYOのCEO・林哲平さんに話を聞いた。林さんは、商品開発から広告・マーケティングまで幅広く手掛け、同社の住宅ブランド「LIFE LABEL(ライフレーベル)」「Dolive(ドライブ)」では340社を超えるFCネットワークの主宰を務める。本対談では商品戦略から暮らしの提案まで、既存の手法にとらわれないクリエイティブの必要性を言及。聞き手は新建新聞社社長で新建ハウジング発行人の三浦祐成。
三浦 現在の住宅業界をどう見ているか。
林 「飽和状態」にある。以前は大手ハウスメーカーのような強者が下がってきたところに、工務店が出てきて地域で頭一つ飛びぬけていく様相であった。しかし、今は状況が逆転して、大手が目立っている。
三浦 もちろん複合的な要因があるが、その中のひとつは、林さんの専門分野である住宅ブランディングに大きく関わっていく話だと思う。
林 私がやっているブランディングはマーケティングで「営業戦略」の極みだ。その延長線上に意識付けだったり、ポジショニングだったり、価値を高める動きがある。
三浦 最初に見られたい明確な姿を描き切るのではなく、売るための行為があって、突き詰めていくうちに、なりたい姿に行き着いていると。
林 工務店は商品開発軸で営業戦略を構築すべき。自分たちが何を売りたいのか、顧客ニーズはどれくらいなのか突き詰める。PRしやすい商品開発、広告しやすい商品開発を組むことでトップラインがつくりやすくなる。
大手ハウスメーカーに勝てるのは商品だけ
三浦 林さんが考える「売れる商品」とは何か。
林 ハウスメーカーは強者の特権で「面」を取っている。総合展示場もその一つで顧客の信用度にもつながる。住宅を買う時に一番欲しいものは・・・
この記事は新建ハウジング9月20日号 3面(2022年9月20日発行)に掲載しています。
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