内装の工事に着手したばかりのリフォーム現場でのこと。既存の内装材や下地材を撤去していたら、夕方、近隣の住民が「うるさいぞ!いつまでやってんだ!」と現場に怒鳴りこんできた。時刻は午後5時半。「午後6時までは施工させていただきたい」と事前に近隣あいさつに回ったはずなのだが…。 【住宅ライター:渡辺圭彦】
その現場は、リフォーム会社の営業マン、Y氏にとって、久々の大規模改修。築30年の木造家屋をスケルトン状態にして、断熱改修と耐震補強を行い、水回りの設備機器もすべて更新するというもので、大工や関連の職人たちも皆大いに張り切っていたという。
着工後、既存の内外装材を撤去し、「今日やれるところまで一気にやってしまおう」ということで現場の一同は、お互いに声をかけあいながら、順調に作業を進めていた。タイムリミットの午後6時までラストスパート、といったところで現れたのが、顔をこわばらせた小柄な高齢者だった。「もう日が暮れているじゃないか。いつまでやってんだ。うるさいんだよ!」。
「そんなこと知らないよ!」
本社に連絡するためにその場を離れていた現場監督に代わって、Y氏が対応。「あれ、まだ午後5時半じゃないか。近隣には6時までやらせてもらうと連絡しているはずだが…」。老人の文句を受け止めながらもその旨を伝えると、「そんなこと知らないよ!お宅らが勝手にやってることじゃないか」とさらに怒りをあおってしまうことに…。
その後、戻ってきた現場監督があらためて頭を下げているうちに・・・
この記事は新建ハウジング9月20日号 7面(2022年9月20日発行)に掲載しています。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。