公正取引委員会と経済産業省は9月16日、「適正な電力取引についての指針」を改定した。電力の小売料金の設定及び小売供給に関して、コストの変動をより適切に反映する料金体系にすることや、標準メニューを定期的に見直すことなどを、「公正かつ有効な競争の観点から望ましい行為」として盛り込んだ。
同指針は、電力市場の公正・有効な競争の観点から、独占禁止法上または電気事業法上問題となる行為等を明らかにしたもの。今回の改定は、電力・ガス基本政策小委員会が7月に「今後の小売政策の在り方」中間とりまとめ案を公表したことを受けて行った。
改定内容では、標準メニューは、電気の調達手段や調達費用等(調達費用の変動リスクのヘッジにかかる費用を含む)に応じ、「定期的に見直すことも考えられる」とした。
また、従来の電力会社とは電源調達の方法が異なる新規参入者で、「従来の供給約款・選択約款や小売全面自由化後の特定小売供給約款における燃料費調整制度にのっとった料金体系を採用している例がみられる」と指摘。需要家への訴求のしやすさ等から、こうした料金体系の採用は「否定されるものではない」とする一方で、「電気料金の透明性の確保や、社会全体の便益の向上という観点から、コストの変動を適切に反映する料金体系とすることも考えられる」とした。
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