LIXIL 住宅研究所(東京都江東区)アイフルホームカンパニーは今年5月、住宅商品の主力シリーズ「FAVO(フェイボ)」から、未就学児がいる共働き世帯をメインターゲットとする「FAVO for KIDS #育てやすい。暮らしやすい。」を新たに発売した。同社が長年培ってきたキッズデザインのノウハウに加え、幼い子どもを育てながら働いているママを対象に組織化した「ママアンバサダー」のリアルな声を集約・反映させたプランが、忙しい現代社会を生き抜くママたちの共感を集めている。
現在ママアンバサダーとして活動しているのは30人。今年に入ってから募集を開始したところ、全国各地から30人の枠を大幅に超える応募があったという。応募条件は「未就学児を育てている」「共働き」という2点のみ。住宅を購入済みか検討中かは問わず、その住宅がアイフルホームでなくてもよい。その理由を、同社マーケティング部の片岡花織さんは「あえて自社で家づくりをした以外の人たちの声を聞くことで、子育て家族の本音を拾うことができる」とし、「OB施主、社内の子育て中のスタッフ、ママアンバサダーという “3本柱 ” で情報を集められるのは強みになる」と話す。
ママアンバサダーの声を集める手法は大きく分けて2つ。1つ目は座談会、もう1つは定期的なアンケートだ。
座談会はコロナ禍であることを考慮し、ママアンバサダー 30 人の中から4、5 人を選出してオンライン上で月1回開催。時間は忙しいママたちが割ける限界と考える1時間で区切っている。開催前には当日話すテーマを検討するための事前アンケートを行い、その回答を見ながらテーマをあらかじめいくつか設定。短い時間でも濃いディスカッションができるよう工夫している。
進行はアイフルホーム側のスタッフが担うのではなく、必ず専任のファシリテーターに依頼する。アイフルホーム側のスタッフは画面をオフにし、あえて存在感を消す。そうすることで「気を遣わずに本音を話してくれるようになる」(片岡さん)。座談会の途中でもし深掘りしたいトークが出てきたら、ファシリテーターにチャットでもう少し深掘りして話を聞いてもらうようお願いするなど、“ 影のファシリテーター ” としてディスカッションを深めていく。
家づくりだけでなく広報面でもママ目線を
ママアンバサダーには家づくりについてだけでなく、ママ目線でヒットする宣伝文句はどれか、どのような言葉を使われたら住宅を買いたくなるかなど、広報的な観点についても意見を聞く。実際に今回の住宅商品をリリースするにあたり、どのキャッチコピーが気に入ったか尋ねたところ、社内スタッフとママアンバサダーでまったく異なる結果が・・・
この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー9月号(2022年8月30日発行)/超ときめき★プラン術』P.20~でご覧ください。
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