地球環境戦略研究機関(IGES、神奈川県三浦郡葉山町)はこのほど、クアラルンプール市、マレーシア工科大学と共催で、クアラルンプール市のゼロカーボンに向けたセミナーを開催した。
セミナーでは、クアラルンプール市全体の脱炭素化に向けて、東京都が先行して実施している「2050年ゼロエミッション東京」、「2030年カーボンハーフ」に向けた、建物の脱炭素化に関する条例改正や資源循環の取り組みの最新事例が共有された。また、さいたま市からは日本の脱炭素街区のノウハウとして、先行事例である美園地区の街区開発が共有された。
東京都とクアラルンプール市は、2019年から都市間連携を開始し、東京都のノウハウを移転しながらクアラルンプール版の低炭素・ゼロカーボンビルディング実現・普及の制度構築を目指している。これまでクアラルンプール市保有の1955の公共建築物のエネルギー消費実態調査、削減ポテンシャルの推計、優先的に省エネ改修すべき公共建築物の選定、ガイドライン策定などの支援を行ってきた。そして今年度、これまでの二都市の連携に新たにさいたま市が加わった。日本では、気候変動緩和・適応、新型感染症、人口減少、防災・減災への対策として「スマートシティ」の計画と開発が進んでおり、さいたま市は美園地区の「スマートホーム・コミュニティ」街区開発の実績・経験を有している。
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