NTT都市開発(東京都千代田区)と大成建設(東京都新宿区)は、福岡県福岡市博多区博多駅東一丁目において開発を進めていた「博多イーストテラス」が竣工したと発表した。地上10階建ての鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)、延床面積2万9200㎡。
同物件は、高い交通利便性を持つ博多駅筑紫口エリアに位置。博多エリア最大級のオフィスフロアや、多様化する働き方に対応するサポート機能を備えたワークスペースのほか、緑あふれる広場空間を有するオフィスビルとなっている。
目的や気分に応じて働き方や場所を自由に選択するABW(Active Based Working)の考え方に基づいた様々なワークスペースを提供。博多駅筑紫口エリアの新たなビジネス拠点として多種多様な企業やビジネスの受け皿になることで、来街者の交流やコミュニティの形成を促し、同エリアに新たな活力を生み出す。敷地内の緑豊かで開放的な広場は、カフェやキッチンカーの設置およびイベントの実施などにより、日常的な賑わいづくりと同エリアの新たな魅力づくりに貢献。同エリアでは希少なオープンスペースとして、来街者の新たな目的地となることにより回遊性の向上に貢献する。
同物件では、地震対策としてコア外周部に鉄骨制振梁を採用。この制振構造により、建物の剛性を高め耐震性を向上させるとともに、貸室内の柱面積を削減し基準階面積約680坪の整形無柱空間を実現している。また、停電リスクを可能な限り回避し、停電時における早期の復旧を可能とするため「近接変電所から地中引込み・架空引込みの異なる配電網による2回線受電」および「変電所間連携」ができるようにしている。さらに、共用部には最大72時間運転可能な非常用発電機を完備。各階の貸室にも15VA/㎡の電源供給を72時間可能とし、屋上に専用の発電機設置スペースも用意。停電時に最大72時間トイレを使用できる備えもしている。洪水対策にも取り組んでおり、敷地周辺で最大2mの浸水があったとしてもビルの主要設備が浸水しないよう設計されている。
また、共用部・専有部で使用される全ての電力について、トラッキング付き非化石証書を利用した実質再生可能エネルギーを導入。入居するすべての企業がCO2排出量実質ゼロの電気を利用でき、SBTといった国際イニシアティブにも対応可能となっている。
なお同物件は、福岡市が官民連携で推進している「博多コネクティッド」規制緩和第1号となる。「博多コネクティッド」は、2019年から実施されている、福岡市博多区・博多駅周辺の都市開発計画の総称。容積率などの規制緩和により、耐震性が高く、感染症にも対応した先進的なビルへの建替えを促進することで、より国際競争力が高く、安心安全で環境に配慮した魅力的なまちづくりに取り組んでいく。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。