スペースリー(東京都渋谷区)は9月6日、既存投資家(DNX Ventures, DBJ Capital, Archetype Ventures)および個人投資家、日本政策金融公庫の資本性ローンを含む4億円の資金調達を実施したと発表した。同社にとって3度目の増資となる。
同社は、近年3D化の技術開発が急速に活性化し、今後Lidarセンサーを搭載したiPhoneでの撮影やVRゴーグル「Meta Quest」などの普及が見込まれることから、空間データの取得方法・活用方法が拡大していくと予測。今回の資金調達により、現実の内見に近い内見体験をオンラインで提供する「パノラマ変換3Dプレイヤー」製品版を開発、2023年にリリースする。同製品は、AIを活用して360°VR画像を完全な3Dデータに変換するというもの。壁紙や床の張り替えなど、これまでCG処理されていた空間設計シミュレーションを簡単に行える機能を搭載予定で、不動産事業者の自社制作が容易になるという。
今回の調達資金で、技術基盤と顧客ニーズの変化を見据えた研究開発およびプロダクト開発を推進するとともに、営業組織を強化し、不動産分野や住宅分野、空き家対策含めた地方自治体向けへの展開などを加速。効果的な事業投資を続け、今後3年において売上約4倍を目指す。
同社が提供する空間データ活用プラットフォーム「スペースリー」は、ブラウザやVRデバイスで再生可能な360°VRコンテンツを、誰でも簡単に制作・編集、活用できるクラウドソフトウェア。効果を実感できる産業DXの実現に重点を置き、パノラマVR写真撮影のみでAIが空間内のサイズを推定する機能や、家具のシミュレーション配置が可能なAI空間設計シミュレータ機能など独自機能を搭載している。不動産売買・賃貸・住宅分野・製造分野の工場研修等で活用され、提供開始から5年で7000以上の事業者が利用している。
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