豊橋技術科学大学建築・都市システム学系とエレクトロニクス先端融合研究所の研究チーム(リーダー:松本幸大教授)はこのほど、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)材料を用いたボルト接合部の力学挙動の改善法を提案・実証した。
建設用途で用いられる引抜成形GFRP材は、強化繊維方向が部材軸方向に揃っているためボルト接合部が脆弱で、設計面で不利となっている。そこに、高い品質で成形が可能な真空樹脂含浸成形によって成形した多軸基材を用いた薄肉GFRP板材を貼付することで、大幅な耐力上昇が実現できることを示した。加えて、接合部の脆性的な破壊挙動も改善できることを示したことから、より安全安心で長寿命・軽量な建設構造物の設計が可能になるという。
研究チームは今後、実際の建設構造物を想定した接合部実験や実大相当の実験・解析を通して、提案する接合法の有効性を示していく。さらに、既存のFRP構造物の補強法としても応用できないか、研究を進めていく考え。
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