【第1回 nattoku 住宅/ ARC style】
自らもつくり手として地域の家づくりを担いながら、自社のノウハウを結集した住宅商品をはじめ、営業ノウハウや独自資材などを提供するネットワーク展開を行っている工務店がある。本連載では、そんな工務店・ネットワークを率いるトップに、新建ハウジング発行人・三浦祐成が突撃取材。加盟店と接する中で見えてきた「成功する工務店」の共通項とはなにか、これからの住宅業界を見据え、自社・ネットワークをどう展開していくかなど、“今こそ聞きたい話”を深掘りする。
第1回は、昨年11月に自社の社名を「納得住宅工房」から「nattoku住宅」に変更し、同時にネットワーク名も「納得スタイルホーム」から「ARC style」に変更した、nattoku住宅代表取締役社長・ARC style会長の久保淳さんに話を聞いた。
三浦:「納得住宅工房」は、「納得できる家づくりを提唱する」という意味でわかりやすい社名だと思っていた。ネットワークも「納得スタイルホーム」というネーミングに惹かれた工務店も多いと思う。それを変えたのはよほどの決意では?
久保:まず自社のほうは、注文住宅ブランド名として「納得住宅工房」というワードは残している。ネットワークのほうは、若い世代に向けてリブランディングを図る目的と、1年半くらい前から「アーキテクチャー」「リレーションシップ」「コミュニケーション」という3本柱でやっていこうという話が出ていたので、ならばこれを機に思い切って変えようと、頭文字を取って。
三浦:住宅ネットワークは意義や目的などにパターンがあると思うが、一番シンプルなのは、まず家づくり・経営のカリスマがいて、そのカリスマがやっている住宅会社と同じようになりたいという人が集まってくるという形。納得スタイルホームも“カリスマ久保”のようになりたい、久保さんとつながりたいというニーズがあるのでは。
久保:納得スタイルホームでは、おっしゃる通り私という存在感が強く、パーソナルな部分で私と同じ車や時計をしたがったり、かと思えば家
づくりで使っているフローリングは似ている別物だったりと、表層的な「スタイル」の共有に留まってしまうことがあった。そうではなく、私たちと同じ思いで同じ住宅を売れるよう、その住宅をつくるための資材やノウハウ提供の仕組みづくりをし、あくまで住宅自体をより早く広められるようシフトチェンジした。
世界の逸品を集め
日本の“住宅民度”高める
三浦:厳しさを増していく住宅業界で、nattoku 住宅・ARC styleではどのような役割を担おうと考えているか。
久保:30、40年前の職人がつくっていた建物は、寸法や素材、木配りなどが完全に“出来上がって” いた。ところが工業化が進んだことで「日本の家」というコンテンツがぐちゃぐちゃにされてしまい・・・
この記事は新建ハウジング9月10日号 16面(2022年9月10日発行)に掲載しています。
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