私がこれから家を建てようとしているみなさんにまず伝えたいことは、「太陽光発電は絶対に付けたほうがいい」 ということです。
おそらく多くの方は、 太陽光発電について「もとをとれるのだろうか」という不安をお持ちだと思います。確かにお試しで設置できるほど安価なものではありませんから、 それなりの額を投じる以上、 それに見合ったリターンを期待するのは当然のことです。
先ほど私が、「太陽光発電は絶対に付けたほうがいい」と申し上げたのもきちんとした理由と裏付けがあります。 しかし、 その根拠が一般の建て主のみなさんにきちんと説明されていない、伝わっていないようにも感じます。 それどころか、 誤解や勘違いによって太陽光発電の導入を迷わせているのではないでしょうか。 今回はその誤解や勘違いをわかりやすく解いていきたいと思います。
一般社団法人日本エネルギーパス協会代表理事。
住宅の省エネ・快適性の専門家で幅広い知見を持つ。世界基準のサスティナブル建築・省エネ住宅をつくるために、2011年から「ウェルネストホーム(旧:低燃費住宅)」を全国展開。国土交通省や長野県など中央官庁や地方自治体の環境・住宅政策の専門委員などを歴任。
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太陽光発電は採算のとれる設備
最大の誤解は、「太陽光発電力の買取価格が下がりすぎて、 導入しても採算がとれないんじゃないか」ということです。これは全くの誤解です。 むしろ太陽光発電の経済合理性は年々高まっています。この残念な誤解は、 太陽光発電の促進のためにスタートした 「固定価格買取制度 (以下、 FIT制度) 」 とい支援制度を正しく理解していないために生まれているように思います。
FIT制度は、 住宅用の太陽光発電などの再生可能エネルギーで作られた電力を国が定めた価格で電力会社などが一定期間買い取るというもの。 しかしFIT制度の目的は、 太陽光発電を導入した人に売電を通じて補助金を与えることではないのです。 実は、 本来の目的は、太陽光発電を普及させて市場価格下げ・・・
この記事は、つくり手と住まい手が一緒に読む高断熱住宅がテーマの住宅雑誌『だん』10号に掲載しています。
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