LIXIL(東京都千代田区)の総合研究所は、窓の設置位置と窓の開け方によって約10倍の通風量(換気量)を得られる「ウインドキャッチャー効果」を実証した。たとえば夏の暑い日に帰宅した際、外気温よりも高くなっている室内温度を自然エネルギーを使って効率よく下げるなど、この効果を利用することでパッシブな住宅設計(窓の仕様、配置など)に活用することができるとする。
実験を行ったのは、同社が東京大学生産技術研究所(中埜良昭所長)と共同でエネルギーマネジメントの実証実験を行っている実験住宅「COMMAハウス」。「ウインドキャッチャー効果を得られる窓開け方法」と「ウインドキャッチャー効果を得にくい窓開け方法」を、ほぼ同一条件で検証したところ、前者の通風量は399.3m3/h、後者は37.9m3/hで、通風量に約10倍の差が出た。
ウインドキャッチャー効果が得られる窓開け方法とは、外壁のひとつの面内において吊元の異なる複数の窓を開放し通風を行うこと。一方、効果が得られない窓開け方法とは、外壁のひとつの面内において吊元が同じ窓のみを開放することを指すという。
この結果を踏まえて同社は、省エネで快適に過ごすための最適な窓サイズ・種類・配置を提案する「通風・創風 設計サポート」のほか、通風建具や通風玄関ドアなどの商品・サービスの開発を進めていく。
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