年間4000件以上のリフォーム・リノベーション工事を手掛けるホームテックは、スタッフ3人全員が子育て中の女性という特徴を持つリノベーションブランド「WAKATTE(ワカッテ)」を2020年7月に立ち上げた。
顧客と同じ境遇だからこそ深く理解できる“ 要望の本質” を反映させたプラン提案などを強みに、その施主の暮らし方にぴったりと合うリノベーションを提供している。
ワカッテがとくに得意とするのが「狭いマンションのリノベーション」だ。ワカッテチーフプランナーの彦坂綾乃さんによると、ワカッテが施工エリアとする東京や神奈川の一部では「70m2を超える物件の入手が難しくなってきている」そうで、実際に手掛けるリノベーションも60m2以下の物件であることが多いという。その中で個室を設けたり収納を確保したりしなければならないため、細部の使い方にまで工夫を凝らしたプランづくりが必要となる。
「のびのび過ごせる2列型キッチンの家」のプラン[図1]では、「2列型キッチンの間を抜けないとリビングに行けない」動線をあえて提案。ほかにも、洗面化粧台とキッチンが扉を隔ててはいるもののすぐ隣同士にあったり、にも関わらず脱衣室は単独で設けられていたりと、一般的には提案することがあまりないであろう内容になっている。このプランを提案した理由を、彦坂さんは「スタッフが子育てをしてきたからこそ考えられる、その施主にとってのベストプランがこれだった」と説明する。
この家に暮らす予定の施主は、30代の夫婦と幼い子ども2人。うち1人は打ち合わせ時にはまだ生まれておらず、施工中に生まれる予定だったため、妻は2人を同時に育てるイメージができず、52m2しかないこの家で4人で暮らせるかどうか不安に思っていた。また夫は料理好きで、自身がキッチンに立つ機会も多いため、「キッチンは対面で、リビングにいる子どもを見ながら料理がしたい」という希望があったという。
子育て経験生かし“ 要望の本質” を理解する
そこで2児の母である彦坂さんは、自身の子育て経験を生かしながら、①脱衣室は着替えのみに特化して広さをしっかりと確保し、②洗面化粧台は廊下に出し、③キッチンの間を抜ける形にはなるが2列型キッチンにして子どもを見ながら料理ができるようにする、というプランを提案した。
まず脱衣室については・・・・・
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この記事の続きは、『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー9月号(2022年8月30日発行)/超ときめき★プラン術』P.16~でご覧ください。
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