山佐ホールディングスグループ(鹿児島県肝属郡肝付町)はこのほど、山佐林業株式会社を設立した。「山林を保有し、植林から育林、伐採、そして植林」という一連のサイクルに取り組む長期安定的な林業経営に参入することで、森林資源の循環利用の促進に努める。
同グループのヤマサハウス(鹿児島市)では、年間200棟前後の家づくりを行っており、構造材に県産材である「認証かごしま材」を使用するなど、積極的な地産地消に取り組んでいる。だが、鹿児島県の森林・林業を取り巻く状況を見ると、林業の採算性の悪化や森林所有者の高齢化などにより、手入れの行き届いていない人工林や皆伐されたまま植林されずに放置された森林が増加しており、そのため、将来的に地域の木材が採れなくなったり、山地崩落などの災害リスクが高まることが懸念されている。また、一昨年来のウッドショックや世界的な資源の争奪により原材料高騰や木材の確保自体が難しい状況下に置かれている。
こうした中、どのような局面になっても、これから鹿児島で家を建てる人が安心して家づくりを行える体制を整えていくために、また鹿児島の森林環境を守るために新会社を設立した。なお、伐採によって産出された林産物は、山佐木材(鹿児島県肝属郡肝付町)を通じヤマサハウスで使用する構造材などとして供給していくことを考えているという。
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