大建工業(大阪府大阪市)と建築用鋼製下地材メーカーの桐井製作所(東京都千代田区)は、耐震+吸音を両立する天井工法「耐震Power Dワイド」について共同実験を行った。同工法は、斜め補強材(ブレース)や専用部品の使用により強度を高めた耐震天井下地(桐井製作所製)に、ロックウール化粧吸音板「ダイロートン」(大建工業製)を仕上げ材として用いるもの。
まず、残響時間のシミュレーション実験を行った。約200m3の普通教室を想定した空間の天井仕上げ材に9ミリ厚の「ダイロートン」を直張りしたところ、日本建築学会「学校施設の音環境保全基準・設計指針」が推奨する残響時間0.6秒を満たしていることがわかった。
次に「耐震Power Dワイド」を施工した状態で水平方向に荷重を加え変位の大きさを調べる実験をしたところ、各設計用震度において天井が損傷しないだけの強度を確認した。
東日本大震災では共同施設などの吊り天井の崩落被害が約2000件にも及び、学校施設では軽微なケースも含め1636校で天井材の落下または損傷が報告されたという。こうした事態を受けて両社は、文教施設や公共施設に対して同工法の拡販を共同で図っていく。
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