ドイツの「職業教育」について紹介したい。「あなたの職業は?」とドイツで尋ねられたとき、企業名ではなく、何の職業を学んだか、どういう職業資格を持っているかを回答するのが一般的だ。資格社会と言っても過言ではなく、大抵の場合、自分が学んで取得した職業資格で、就ける職種やポストが決まる。キャリアアップをしたければ、追加で職業教育やレベルアップ研修を受けて、資格を取ることが求められる。アメリカンドリームは起きにくいシステムだ。
義務教育の学校システムも、この「職業を学ぶ」という最終目標に向かったものになっている。小学校(Grundschule)は4年生まで、その後は、子どもたちは、学力や素質に応じて、手工業職を学ぶことを想定した5年制のハウプトシューレか6年制のリアルシューレ、もしくは大学進学を想定した8〜9年制のギムナジウムに分かれる。
小学校4年生のときに、その子がブルーカラーの職業に就くか、ホワイトカラーの職業に就くか、進路を定めなければならない。通常、子どもの成績や授業態度などから、4年生の時に小学校の担任の先生が親に推奨し、相談して、次の学校をどうするか決める。ただし、5年生の時から・・・
この記事は新建ハウジング8月30日号 11面(2022年8月30日発行)に掲載しています。
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