アキュラホームグループ(東京都新宿区)はこのほど開催した「8階建て純木造ビル」(埼玉県さいたま市)の起工式で、中規模木造建築の普及を目指す「Re:Treeプロジェクト」の始動を発表した。
同プロジェクトでは、注文住宅建築で培ってきた技術を進化させ、普及材を木材加工機材で建築可能な「普及型純木造ビル」のプロトタイプを完成。従来の2/3以下のコストで、全建築工程のCO2排出量が非木造建築物の1/2以下を実現した。今後もプロジェクトを通し、行政、住宅関連財団、地域ゼネコン、地域工務店、木材加工会社などのつくり手とともに「普及型純木造ビル」を広め、全国に木造の街並みを復興するとしている。
同社は新宿オフィス機能をさいたま市へ移転予定で、「8階建て純木造ビル」はショールームや宿泊体験が可能な施設を併設した新社屋として建築する。同社の宮沢俊哉社長は「これまで東京を本社とし活動してきたが、コロナ禍になり、つくり手の企業としてどうあるべきかを検討した結果、ショールームや宿泊体験が可能な施設を併設した本社屋の建築を決定した」と創業地である埼玉県に移転を決めた理由を述べた。2024年度竣工予定。起工式には埼玉県大野元裕知事、さいたま市清水勇人市長が参加した。
新社屋は、免振装置に頼らない耐震構造で、壁倍率30倍を超える高耐力組子格子壁を使用。日本古来の継手・仕口の技術を住宅用プレカット工場で量産加工する。
10月には木造5階建てのモデルハウスが完工予定。今後、各エリアに木造5階建てモデルハウスを建築し、中規模木造建築の普及を目指す。
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