小島建材店(川崎市宮前区)がレディーミクストコンクリートを適切に製造・出荷していなかったために、今年2月にJISマーク認証を取り消された問題で、川崎市は7月28日、該当するコンクリートが18現場20棟の建築物に使用されていたと発表した。これらの建築物は建築基準法に抵触するため、川崎市は今後、法適合に向けた対応を進めるとしている。
小島建材店のレディーミクストコンクリートは、2月の審査で、生産量と出荷量の記録が整合しなかったり、荷卸し時に余った製品に新たに製造した製品を混ぜて出荷するなど、適切な製造・出荷が継続的に行われていない状態だったことが発覚。「省令に定める基準を満たしておらず、不適合の内容が重大」と判断され、2月21日付でJIS認証が取り消された。
これを受けて川崎市は、国土交通省から当該コンクリートが出荷された恐れがある現場として情報提供があった同市内20現場のうち、57棟について、建築基準法の規制対象部位への当該コンクリートの使用の有無とJIS規格への適合調査を実施。建築基準法に抵触することになる建築物を18現場20棟と特定したとしている。
川崎市は当該建築物の法適合に向けて、(A)必要な改修工事の速やかな実施(基礎の打ち直し等)か、(B) 国土交通大臣の認定の取得(建築材料または構造耐力に関する大臣認定)――のいずれかの手法で対応する方針。7月21日付けで、当該建築物の工事施工者や所有者等の関係者に書面を送付しており、9月末を目途に対応を確認するとしている。
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