アットホーム(東京都大田区)は8月24日、北海道から福岡県までの13都道府県14エリアを対象とした2022年4~6月期(第2四半期)「地場の不動産仲介業における景況感調査」の結果を発表した。売買仲介の業況DI(前年同期に対する動向判断を指数化、DI50=前年並み)は、首都圏45.3(前期比1.4 ポイント増)、近畿圏42.4(同2.9ポイント増)でいずれも2期ぶりに上昇した。直近1年間は、首都圏45、近畿圏42をはさんで小幅な動きを繰り返しており、来期も首都圏、近畿圏ともに0.2ポイント増と横ばいの見通し。
エリア別の業況DIは、全14エリア中9エリアで前期比プラスとなったものの、前年同期比では10エリアでマイナスになるなど、全般的に回復感は薄い。前期にDI50を超えた千葉県・福岡県がマイナスに転じたほか、東京都下は前年同期比6.5ポイント減、静岡県は同5.9ポイント減と大幅に低下している。来期は14エリア中8エリアで上昇の見通し。不動産店からは、住宅価格・資材の高騰が影響しているという指摘や、インフレ・金利上昇などを背景にした消費者の購入マインド低下を懸念する声が上がっている。
賃貸仲介の首都圏の業況DIは前期比2.5ポイント増の46.3と3期連続上昇し、前年同期比も4.1ポイント増となった。首都圏は全エリアでプラスとなり、埼玉県では調査開始以来最高値の50.7を記録したほか、千葉県・東京都下も50に迫るなど順調。近畿圏は前期比2.4ポイント増の41.6と2期ぶりに上昇し、前年同期比も1.5ポイント増とプラスに転じた。大阪府は前期比プラスだが、京都府・兵庫県はマイナスとなり、3エリアとも40台前半の水準にとどまっている。新型コロナ感染対策の制限緩和に伴い全般的に回復傾向にあり、14エリア中10エリアが前期比プラス、前年同期比でも11エリアがプラスとなった。来期は、首都圏が0.1ポイント増の46.4、近畿圏が4.5ポイント増の46.1とともに上昇の見込み。
新型コロナの影響で調査開始以来の最低値を記録した20年2期以降、郊外の売買物件が好調となったことから、首都圏では売買の業況DIが賃貸を上回ってきたが、21年1期以降横ばい傾向が続いている。一方賃貸は21年4期から3期連続で上昇し、今期は9期ぶりに売買を上回った。同社は、賃貸の業況が逆転した要因として、転入人口の回復、売買価格の高騰、不動産購入に対する先行き不安をあげている。
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