住宅業界を襲っている危機の概要と、それを突破するための対策の基本を、Q&A形式でまとめた。本稿では、「住宅の高性能化」について、その具体的な対応策を提言していく。
Q1.ハウスメーカーの顧客を奪えるか?
A.改めていま一条工務店に学ぶべき。 フレーミングした強み×コスパで圧倒する手法
[図]は一条工務店が「売れた」理由を筆者なりに整理したもの。ここには、原価高騰・エネルギーショックのなかで工務店がハウスメーカーから市場を奪うヒントがあるように見える。
まず学べるのは「フレーミング」の大切さだ。フレーミングとは「物の見方」=ものさしを与えること。一条工務店は「家は、性能。」というキャッチを通して、家は性能で選ぶべきという物の見方と断熱性能(UA 値)というものさしを与えた。
一方で超高断熱を全棟で標準化。そのうえで断熱性能が高い家= UA 値が小さい家ほど顧客のベネフィットが大きくなることをアピール。展示場でそれを体感・納得してもらう。競合に設定したハウスメーカーを断熱性能・UA値と海外生産で実現したリーズナブルな価格で圧倒して受注へ。
このフレーミングした強み×コスパで圧倒するロジック、比較のものさしとして断熱性能を定着させた点も見習うべき点だ。
Q1.標準断熱性能をどのレベルにすべき?
A.ベネフィットとコストのバランスがいい等級6(G2)以上を全棟で標準に
原価高騰の今こそ性能を含む質と価値を高め、価格と客層も上げるタイミングだ。断熱性能については「等級6+α」をベースとしたい。
ベネフィットとコストのバランスがいい等級6(G2)以上を全棟で標準化。自社の価値観や強みを「+α」の部分に盛り込む(次項)。・・・・・
続きは「工務店のための危機突破読本2022」
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