大東建託(東京都港区)はこのほど、同社独自のCLT工法を採用した、CLT賃貸集合住宅の第1号棟が千葉県船橋市に完成したと発表した。
CLTは、コンクリート並みの強度と木材の軽さを併せ持つ木質建材として注目されているが、実用化には耐熱性や施工性、事業性、工期など課題も多いとされる。同社は2019年に規格化・工業化されたCLT賃貸集合住宅を開発。同建物は、パネル化が可能な耐火外壁や、ドリフトピン仕様の内蔵型接合部金物など、施工現場での作業省力化や施工品質の均一化に配慮した同社独自のCLT工法によって建築。躯体にはCLT材、集成材、合板などの国産材を85m3、輸入木材を含めると124m3の木材を使用。「炭素貯蔵効果」は84(t‐CO2)で、一般家庭28世帯分の年間CO2排出量に該当する効果が得られるとしている。
同物件では、壁面、床上1m、0.1mの3カ所の温度、湿度の計測を行うほか、部屋の内部に断熱資材を付与し、断熱仕様の違いによる居室間温度差のデータを収集するなど、年間の温熱環境を検証。取得データは、居室間や室内上下間の温度差を抑えた健康住宅の開発に活用する予定。遮音性能、電気使用量など、各種データの計測による検証も進め、今後のCLT賃貸集合住宅の開発に活かすとしている。
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