この連載は、正社員3人程度(大工などの職人は除く)の最少人数で安定した受注を得ている工務店を取材し、経営手法や人気の秘密を探る。そこには縮小化する市場のなかで最適化を図るためのヒントが隠されているはずだ。
今回は鹿児島市の工務店、ライソンビルダーを紹介する。独立して10年。営業から設計、現場まで1人の担当者が一貫して担当する丁寧な家づくりで支持を広げている。
同代表の植木潤一郎さんは1980年、鹿児島市生まれの41歳。まずは独立の経緯を紹介する。植木さんは中学生のときに建築の道を志し、崇城大学工学部建築学科に進学。そこで挫折を経験した。抜きん出たセンスの同級生がおり、埋めがたい差を感じた。植木さんは建築の道を諦めた。
大学卒業後の2年間は就職せずに過ごした。その間に二級建築士の資格を取得。この過程で建築への意欲が再燃。特に住宅の仕事に興味をもった。第二新卒として熊本市の設計事務所に入社するが、住宅の仕事が皆無と知り、すぐに退社。インターネットで探した熊本市のアトリエ系設計事務所にアルバイトとして入社、待遇は月額5万円。薄謝である代わりに設計手法を教えるという条件だった。夜間に別の仕事をしながら設計事務所に通い、設計や現場のことを一から学んだ。2年半後・・・
この記事は新建ハウジング8月20日号 14面(2022年8月20日発行)に掲載しています。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。