儲けの構造を理解する
さて、損益計算書ですが、ピーエルは[図2]のように、儲けの構造を表わすものです。
儲けの構造は、儲けの方程式を図にしたものです。儲けの方程式は、[利益=売上高×粗利益率−固定費]で表わします。経営者が儲けるためには、この式をしっかり覚えることが出発点になります。
この式を覚えて、利益を挙げるために売上、粗利益率、固定費をそれぞれどのように変えていけばよいのか計算できるようになれば、かつそのための具体策を考えだせるようになればよいわけです。
設備資金と運転資金
一方、貸借対照表はお金の構造を表わすものです。事業にどんなお金が使われていて、それは誰が出しているかの構造です。
ところで、このお金の構造には、2種類のお金の流れがあります。
①設備投資とそのためのお金の調達の流れ
②材料を仕入れ、手間賃を払うという家を建てるために必要なお金と、それらを仕入先から借り、施主から前受をもらうというお金の流れです。
それらを設備資金、運転資金といいます。
このふたつには、それぞれ健全なお金の使い方、ひっぱり方があります。それを説明しておきましょう。
まず設備資金ですが、お金を生むものだけを買うこと、そしてそのお金は全額を自己資本とローン(長期借入金)でまかなうことが鉄則です。家を立てるときの資金の調達と同じですね。
次に運転資金ですが、まず工期を短くして早く建て替えている材料代や手間賃をお施主さんから回収することです。完工した物件のお金をもらっていないなど論外です。そしてその立替金は、全額をお施主さんから前受としていただくか、仕入先に支払を待ってもらうようにしてください。そのやりくりの上手下手が日常の資金繰りのポイントになります。
よく資金繰りに詰まって、仕入先の支払いを伸ばすケースを、この業界で見受けますが、こんなことは他の業界ではありえません。あまったれるな!ですよ。
ついでに申し上げますと、仕入先や外注先を業者と呼ぶ悪習はぜひやめてください。お金を貸して下さっている相手へのその呼び方が、あなたに勘ちがいを起こさせているのではないかと案じています。
支払代金に詰まるのは、赤字を出しているか、借りたお金を不要なものに使っているか、もともともらうお金と支払うお金のタイミングを考えずに施主から前受をもらっていない、または支払条件を決めていないからです。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。