アルミ配管設備工業会(APEA、東京都港区)とパナソニック・空質空調社(東京都港区)は8月5日、業務用電気空調機器の冷媒配管へのアルミ使用に関する共同記者発表会を開催した。冷媒配管は銅を使用することがほとんどだが、銅の価格高騰や調達懸念などの課題に直面しており、APEAは銅に代わる材料としてアルミの活用を検討し規格化。これを受け、パナソニックは同日、アルミ冷媒配管で施工した業務用電気空調機器について、9月受注分から、業界で初めてメーカー機器保証を開始すると発表した。
アルミ冷媒配管の規格化に関して、APEAの込山治良代表理事は、カーボンニュートラルの実現に向けて、モーターや発電機等に使われる銅の需要増加を指摘。そのため構造部材などをアルミなどの別素材に転換することが求められていると説明した。アルミ冷媒配管は銅に比べ軽量で、施工時間も銅配管に比べ2割短縮できるなど、作業者の負担軽減にもつながるという。
規格化を受け、パナソニックでは、業務用電気空調機器をアルミ冷媒配管で施工した場合の性能や安全性に関する検証を実施。パナソニック・空室空調社の小松原宏・業務用空調ビジネスユニット長は、劣化試験や実機の耐久試験等で規定通りの性能があることを確認したことを踏まえ、今回の品質保証の導入を決定したとした。
今回導入されたメーカー機器保証は、APEA会員企業による施工が前提。▽APEA認定アルミ部材を使用、▽同社推奨メーカーアルミ冷媒分岐管を使用、▽APEA施工指針とパナソニック施工要領に則って施工、▽メーカー指定サービス実施会社による試運転を実施、▽機器保証書に記載の条件を満たしていること――等が保証条件となっている。今後は、熱源にガスエンジンを採用しているGHPも2023年度中にメーカー保証対応を開始する予定だという。
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