建設物価調査会が8月18日に公表した調査リポートで、「建設資材物価指数」が、2020年8月から24カ月連続でプラスとなり、7月に最高値を更新したことがわかった。
それによると、コンクリート製品等の値上がりが大きく寄与し、131.0と前月比2.1Pt増加。建設資材価格の上昇気運が表れはじめた 2020年6月号(東京)時点と比較すると、鋼材、木材、石油関連製品で大幅に上伸したほか、アルミサッシ、ガラス等の建築関連資材、配管用炭素鋼鋼管、硬質ポリ塩化ビニル管等の設備関連資材など幅広く値上げが進展している。
資材別に見るとコンクリート型枠用合板は、現地の原木不足等による入荷減の影響で依然として市中の品薄感は解消されておらず、19 カ月連続で上伸し最高値を更新。ビル用アルミサッシは約 15 年ぶりに値上がりするなど各種資材メーカーの価格改定が急速に浸透している。
建設物価主要資材 40 品目の気配を 3カ月前と比較すると「強含み」が 21品目から7 品目に減少、「横ばい」は 15 品目から27品目に増加しており、騰勢に一服感が見られる。
異形棒鋼は、先安観から流通筋の販売競争が広がり始めており、木材は、新設住宅着工数が前年同月を下回るなか市況に天井感が台頭してきている。しかし、セメント、板ガラス、硬質ポリ塩化ビニル管等はメーカーがさらなる値上げを表明しており、値上げの到達点を探る交渉は今後も続くとみられる。
建設資材の価格を取り巻く状況は、原料や需給の動向にもより強弱入り混じっているが、現状の価格転嫁ではコストアップ分を吸収できないとして値上げ交渉を継続している資材は多い。資材・地域ごとに背景や要因の異なる価格変動が続くため、なお一層の注目が必要だ。
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